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執筆者の写真yskitchen

2019年を振り返る① 〜BMDのカメラと駆け抜けた2019年 前半〜


え、えーと

お、おひさしぶりです 鈴木佑介です。

な、なんと!

約1年ぶりの更新となりました。

ごめんなさい。ごめんなさい。

最近会った仕事関係の人に

「そういえば今年ブログ書いてないですよね」

と言われ

最近行った鎌倉のレストランで

テーブルに座っていたカップルの男性の方から

「鈴木佑介さんですよね。いつもブログとか見て勉強しています」

と言われ

付き合いのあるメーカーの方からも

「ブログ楽しみにしているんですけど、お忙しいようで」

と言われ 2019年も残りわずかとなったところですが

色々な想いにかられ、3~4本ほど記事を書こうかと思います。

もう年の瀬なので

「今年を振り返る」ということをメインテーマに

機材のことも交えつつ、色々と業界や世間の流れに思うこともあるので、 そのあたりも。

まずは1本目のトピックとして

テーマは

「Blackmagic Designのカメラと駆け抜けた2019年」 です。

長くなるので前半と後半に分けます。

前半はBlackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC4K/ポケシネ4K)と

URSA Mini Pro G2の 話です。

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まず初めに

「鈴木さん α使うの辞めちゃったんですか?」

と聞かれることありますが

「辞めていません」

むしろ完全に

「使い分け」ているだけです。(α6600も購入しました)

これはまた別の機会にαの運用と未来。そしてソニーについて思うことを書きたいな、と思っています。

さて、本題へ。

私的に2019年前半の制作物で私的に気に入っているものを

いくつか挙げてみます。

①Men’s ニットソーイング PV

②ワンマンスリフレア ”リル” メイキング動画

③1Day Refrear BIJOU イメージ動画

④Venture For Japan PV ショート版

上からCF系、メイキング系、イメージ系、VP系の映像になります。

全てBMPCC4K(ポケシネ4K)で撮影しました。

実際そのフッテージを触れないことには伝わらないかもしれませんが

既存の一眼動画では手にすることができなかった「リッチ」な画を

手軽に手にすることができ、思うがままに色をいじることができました。

カメラを手にして「画が変わる」ことは、ほぼありませんが

己の欲しかった画がイメージ通りに手に入るカメラだと実感しました。 よくセットアップを聞かれるのでここに記しておきます。

①のMen’s ニットソーイングPVでは とてもシンプルなセッティングです。(シンプルという定義は置いておく)

Small Rigのケージを装着したBMPCC 4Kに トップハンドルから可動式でモニターを接続 (モニターは2018年末からお気に入りのFeelworld F570 そこにみんな大好き「標準シネマレンズ」である

EFマウントのSIGMA 18-35mm/50-100mm F1.8をMetabones SpeedBoosterで装着し ワイヤレスフォローフォーカスを付けて担ぎスタイルで。

ハンドルグリップにコントローラーを付けて 右手でフォーカス操作ができるようになっています。

SGIMAの18-35mmと50-100mmはスチルレンズを使用 (シネレンズは当時Eマウントだったので。。)

フォーカスギアをつけるためにBroken Anker ZEROを使用(オススメ)。

 バッテリーはVバッテリー(IDX Duo 95 ※現在98)で運用し、基本ドキュメンタリーのように

 ライティングをした上で演者さんに実際に動いてもらいながら、

 基本、一発勝負でリアルタイムに映像を切り取っていきました。

 音声はRODE NTG-8を使用して、アングル外からアシスタントに持ってもらい

 同録をしました。(超指向性のおかげで臨場感のある音声が取れています)

 同録のシステムとしてはマイク側をRODE News Shooterでワイヤレス化しカメラで受ける形にしました。

 Vバッテリーと背面液晶の間にワイヤレスの受信機を置く、というスタイル

 もちろん音声の仕上げは三島元樹氏の「おまかせMA」で仕上げ。

 この写真ではSanDiskのポータブルSSDでCinema DNG3:1を

 外部収録していましたがBlackmagicRAWになってからは使用していませんので注意。

 外部収録するならSamsung T5やAngelbirdなどの対応しているSSDを使わないと録画中に止まります。

(12:1が限界の模様なのと、正式サポートされていないので)

②や③のスチル現場などでのメイキング系、イメージ系の撮影は

先ほどと同じくVバッテリー運用をベースに外部モニターを使い、 Metabones SpeedBoosterを使用し、

EFマウントのSIGMA 24-105mm F470-200mm F2.8という「テイク」しやすいレンズで撮影。

ジンバルカットに関しては、もう1台のBMPCC4KにLAOWA 7.5mm F2を装着して

DJIのRONIN-Sに装備。要所要所でギアを使い分けて撮影しました。 特筆すべきはSIGMA 70-200mm F2.8が人物撮影の際にちょうど良いシャープさとソフトさを兼ね備えているポートレートレンズだったということでしょうか。これはオススメの1本です。ベスト オブ 70-200です。

また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが

BMPCC4KはHDで120fps(センタークロップされる)などを有効に利用して

現場に合わせて4k60pとHD120fpsを使い分けてHSでイメージを切り取りました。

④のVPというかナレーションベースのドキュメンタリー風PVは

極力軽く、バッテリーとレンズ交換をしなくても良いような機動性を確保した運用をテーマに

BMPCC4Kの「標準レンズ」OLYMPUS 12-100mm F4をメインレンズに Vバッテリー運用を行いました。

長時間持つ時は右手にウッドグリップを付けると楽になります。

「テイク」撮影のシンプル構成

最近は静まった感がありますが

BMPCC4Kが発売してからというもの、その画のフッテージの良さの声よりも

「バッテリーがもたない」とか「ボディ内手ブレ補正が無い」とか

そういう類のつまならい意見が多かったのですが

そもそも「運用しやすくすればいい」だけの話です。 単純にカメラとレンズだけで撮れるのが理想ですが、実際現場に入ったら

そんなことはほぼありません。

運用のポイントはこれです。

手ブレ補正に関しては「重くすればブレにくくなる」というソリューションしか無いですが(笑)

ポケシネに限ったことでなく、どんなカメラを使っても出てくるのはバッテリー問題。

特にVバッテリーはこれから「映像制作」を行うのであれば

ローンを組んででも4本くらいは持っておくと良いです。

互換商品のLP-E6を10本買ったところで

Vバッテリー1本の方が充電も便利ですし、長持ちします。

それに外部バッテリーやワイヤレスフォローフォーカスを使うとなれば

給電のためのバッテリーが必要になるわけで。

VバッテリーならD-TAPやUSB出力ができるので1人3役くらいできます。

そういう面からもVバッテリーとVバッテリープレート

一緒に最初に購入してほしいアイテムです。

私はαを長時間使う際にも使用しています。

最近はFXLIONから14.8V約50whのNANO ONEという

小型で可愛いVバッテリーも登場してきました。

USBでチャージもできる優れもので、私2台所持しています。 USB-Cが使えるのでMacBookProやiPadProなども充電でき、

モバイルバッテリーの代わりにもなります(爆)

個人的にはタピオカの次のブームは Vバッテリーだと思っているくらいです。

さておき、一番のポイントは

BMPCC4Kをきちんと運用しようとすると、結構な質量になる、ということです。

↑祭り状態

私の思想は基本、カメラはシンプルな方が良い です。

というわけで6月。

URSA Mini Pro 4.6K G2を導入することになります。 (NABでの発表後、即発注したけど出荷が6月半ばだったというアレですが)

URSA Mini Pro G2の利点はこれ。

さらに言えば

・14stop 12bit フルRGB

・4.6Kで120fpsが撮れる(Blackmagic RAW 12:1)

・音声端子(XLR)が2つ搭載

と運用面、性能面含めきっちり「シネマカメラ」です。

①ellebelle cosme Image

②ellebelle cosme How to use

使用したレンズは

SIGMA High SPEED CINELENS 18-35mm T2/ 50-100mm T2の2本。 EマウントからEFマウントへ性転換手術をしました

↑フォローフォーカスはTILTA Nucleus-Mをワイヤード接続で

 ※日本で技適が取れていないため未発売。B&Hで購入し、ワイヤード接続で使用。

きちんとライティングして撮影しているのもありますが、

URSA MIni Pro 4.6K G2が映し出す画はBMPCC4Kよりも「リッチ」な印象です。

そして4.6K 120fpsで撮影しHDで編集することで。

タイムリマップ、トリミングし放題で演出にも幅が広がります。

元々得意分野であったビューティー系の映像制作の質が上がったのはいうまでもありません。

きちんと「決めて創る」映像に最大限の力で返してくれるのがBlackmagic Designのカメラです。

何よりグレーディングできる幅が広いので、一度触ったらもう8bitはおろか10bitにも、

というかlogにも戻れなくなります。(log素材自体も撮影と編集時の扱い方次第なのですが)

もちろんこのほかにも「テイク」系の仕事はしていましたが

どんどん「メイク」の仕事が増えていきました。

一つ映像の質を上げると期待値と共にステップアップしていく感じです。

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宣言していたわけではありませんが、

ここ数年で定義された日本での「ビデオグラファー」という定義の枠から

いち早く卒業しようと思っていて、 2019年は「己のステージを上げる」をテーマに

「テイク」の仕事を減らし

「メイク」の仕事へシフトすることを目標にしていました。 結果として広告を中心に従来の仕事の7割方

「メイク」の仕事に変化させていくことに成功しました。

今回お伝えしたいのは、

Blackmagic Designのカメラの良さを伝える事ではなく

そうした「メイク」する映像へシフトしていく流れの中で

「使用するカメラが変化していく」というのは必然だったという話です。 今年は2017年、2018年に比較して

私の中で「一眼カメラ」での撮影の機会が極端に減り

Blackmagic Design のカメラが6割、SONY FS7が2割、αと他の一眼系が2割、という

カメラの出動割合となりました。

振り返ってみますと昨年 2018年のブログの最後を締めたのはBMPCC4Kだったと記憶しています。

それは予感とも予告とも言える「これから映像制作はどんどんメイクの方向へ向かう」という内容を

自ら記していたのを記憶しています。

これはYouTubeを代表としたセルフブロードキャストや

ニュースメディア、テキストメディアの延長線上にある「動く画」となった「動画」と

映画やCFなど従来からの「映像」との分岐が顕著に見られる中で

「映像制作」に重きを置く人間にとって、予想通り「表現ベース」の映像が求めれらるように

なったということです。

大枠での『動画制作人口』が増えた今では当たり前の流れでしょう。

その中でBMPCC4Kは「メイク」する映像の入り口として最適だと考えていましたが 前述の「最強の標準レンズ」と名高いOLYMPUS 12-100mm F4との組み合わせで使うと

「テイク」でも全然イケてしまう、という結果に。

αのオートフォーカスが不要な「テイク」系の現場をどんどんBMPCC4Kが奪っていっているのが事実です。

オートフォーカスこそ無いものの(M4/3だからMFでもさほど問題無い) 標準バッテリーのLP-E6の持ちの悪さだけ解決すれば、

ルックメイキングにおいてBMPCC4Kは最強のコスパを発揮するカメラとなります。 発売当初からCinema DNGでの収録でしたが

2019年の春頃からBlackmagic RAWがBMPCC4Kにも対応したことにより

ProResよりも少ない容量でリッチなRAWフッテージを

気軽に扱うことができるようになったのも 大きなポイントでした。 Blackmagic RAWの魅力はこれ

実際Weddingの現場などにも運用し、

13stopのダイナミックレンジは白無垢や

ウェディングドレスのディティールを残し、

12bitフルRGBのフッテージは色被りは肌の修正もしやすく、編集面からも

良い結果を残してくれました。

最近ではバッテリーグリップ(ソニー NPバッテリーが2本入る※LP-E6じゃないので注意)も 発売されたことで、BMPCC4kの可動しない背面液晶での撮影ということだけをクリアすれば

こうした「テイク」の現場でもシンプルな運用が可能になってきました。(でかいけど)

なにより2018年9月末の発売から約1年3ヶ月経つ2019年末の現在においても

BMPCC4Kが未だ色褪せずに輝いているのは、

このカメラが本物だという証に思います。

「動画」制作をこれから始めるならαなどをやはりおすすめしますが

「映像」制作をはじめるならエントリーとしてBMPCC4Kをおすすめします。

後半へつづく

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