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  • 執筆者の写真yskitchen

急ぎすぎなければ αに絶望なんてしない

逆襲のシャアのアムロのセリフを借りました。


こんにちは。鈴木佑介です。


冒頭タイトルのように

2019年は動画ユーザー的に

大きな動きが無かったソニーのαシリーズ。

2018年頃から

世界中で発売を待ちわびている

α7SⅢ(ってか次期α7S)が ぜんぜん出ません

写真業界はミラーレスカメラ戦後時代。

その中でキング・オブ・ミラーレスとなった

ソニーに追いつけ追い越せ、と キヤノン、ニコンが色々とカメラを出すものの

そんなにカメラ要らないよ、と皆疲弊。 動画軸では

パナソニックがS1H

新α7Sを待ち続けているソニーの

一眼動画ユーザーを取り込み始めました。

かくいう私も

知る人ぞ知る元パナソニックユーザー

元々パナソニックの作る画は好きですし

往年の名機DVX100は三台所持していたくらいで、

やはりS1Hは気になる存在。

実は発売直後に少し触らせてもらって、

素晴らしい手振れ補正機能

6Kやら10bit logやら 皆が欲しいスペックをぶち込んだ

とても良いカメラだな、と認識しましたが、

一度Blackmagic Designのカメラの

フッテージを触ってしまうと

他のカメラには行けません、

というのが正直な感想です。 後述しますが、AFがソニー並みに効いたら

S1HというかPanasonicにスパっと

切り替えてしまっていたかもしれません。 (結果MFならBMDのカメラでいいや、と) とはいえ、世間の気持ち的には

待てど暮らせど現れない新α7Sを待つより

カラーグレーディングが流行っているこの昨今、

10bitや6kが撮れるS1Hを選択するのは

ある意味正しい選択かもしれません


そしてS1Hが発売された

2019年の9月頃にはさすがに

新α7S発表されるだろうと思いきや、

まさかのα7RⅣが出る始末

なんやそれ、と

なにしてんの、ソニーと

ズッコケる前に 呆れました。


だけど、まだ私はαシリーズを

所持しています。

α6600も購入したくらいです)

↓なんやかんや発売日に購入した6600

それは何故か?

今日は動画軸におけるソニーのαについての

現在の状況と今後の展望と

整理してみたいと思います。


まず、私が未だαを使う一番の理由

「オートフォーカス」です。

まず、この速さと正確さ

αが最強なのです(現時点)

↑被写体になっているのは2019年から助手をしてくれている雪森るな 新進気鋭のアーティストであり、弟子、というか二代目鈴木佑介と呼びたい存在で

中身を構成する要素が私とほぼ同じ、という稀なキャラ(笑)

今、良い感じに仕上げていますので、これから彼女を目にする機会が増えてくるでしょう。

踊り、アクション、ファッションショー

動きの激しいもの(特に前後の動き)を

マニュアルフォーカスで追うのは至難の技。 (昔は5DとかでMFでどうにかやっていたのが強みだったりするのだけれど)

今のα(α9以降のカメラ)ならば

適性露出を取って、カメラを向けただけで

9割方、被写体をフォーカシングし続けてくれます。

そんなαの強みを生かして

宮城県女川町で行われたファッションショー

α6400 3台と α7Ⅲを使って撮影しました。

撮影:鈴木佑介 雪森るな 佐藤祐亮 田村博之

編集:佐藤祐亮

アートディレクション:雪森るな

監修:鈴木佑介

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いかがでしょうか?これをα以外でやるのは

なかなか難しいと思います。 (ビデオカメラでやればいい?

 →生っぽいのが嫌なのとわざわざ買いたくないのです)

また、カラーグレーディング前提であれば

きちんと弄れる幅があるフッテージで

撮りたいところですが、

正直「テイク」の撮影に

そこまでを求められることはほぼ皆無ですし

費用対効果、というかコスパが合いません。

特にカラーグレーディングをやったことが

ある人なら分かると思いますが


「グレーディングはレタッチではない」

ということ グレーディングは演出意図に応じて

色で「リッチな画」を作ることであり

「リッチな画」を作るには「照明ありき」


つまり


グレーディングするには

ライティングが不可欠ということなのです。

イベント系の映像で記録の要素を

求められる映像制作に関しては、

ある程度のトンマナは作るにせよ

きっちりフォーカスが合っていること

8bitの中で画作りが出来ている事が

大切だと思います。(カッコイイのは前提) なのでライティングができない上

撮り直しがきかないWeddingやイベントなどの本番撮影は

自然光を活かし、自分の位置、レンズで

最大限の画作りをすることが重要です。


今年αで撮影したWedding映像をいくつかご紹介します。 ●Shigeaki + Rikako 【What a love forever】

↑ α7Ⅲ + FE 24-105mm F4 / α6400 + E10-18mm F4 OSS にて撮影 ●IKKO + KUMI 【お父さん ありがとう】

↑ α7Ⅲ + FE 24-105mm F4 / FE100-400mm F4.5-5.6 にて撮影

いかがでしょうか?8bitといえど決して悪くないですよね? HLG(PP10)で撮影しておいて グレーディング、というより

カラーコレクション程度で仕上げています。

逆に8bitでもちゃんと作ればこれくらいできるよ、

というのがこちら ●Hisayoshi + Riho Profile Film(再現ドラマ式)

こちらはα7ⅢにMC11を介して SIGMA 18-35mm / 50-100mm 撮影しました。

しかも全編手持ち撮影です。PPはHLG。 HD120fpsも使用。

可能なところはライティングしています。(スタッフは私と助手1名)


現行のαでもここまで出来るわけです。


●Morihiko + Riho Profile Film【We Just a One Couple】


こちらもα7ⅢにMC11を介して SIGMA 18-35mm / 50-100mm 撮影しました。

PPはHLG。 インタビュー撮影のカットは

α6400を2台でライティングして撮影しています。

手前味噌ですが、2本ともイイ感じですよね?

何が言いたいか、というと全てにおいて

シネマティックな画が必要では無いですし

(拘りたい人はどうぞ)


αでもちゃんと使えばここまで出来る、ということです。

αの限界を感じてこの先に行きたい人が

必要に応じて機材は使い分けるのが良いのです。


下手な人がポストで弄る

12bit rawフッテージよりも

きちんと撮影時に画作りした

8bitフッテージの方が綺麗だったりします。

(勉強したい人はトレーニングに参加してね)


という訳で私は今、

テイクする撮影

αシリーズとEマウントのカメラ

メイクする撮影

Blackmagic Designのカメラ

というふうに使い分けています (私が4年愛したFS7は引退となりました)


●NTTファイナンス 滝本美織と4つの箱

↑カメラマン・カラリストとして参加させて頂いた作品。

他の現場で使うことはあるかもしれませんが、これが私的FS7引退作となりました。

↑後継機のFX9だが。。

後継機のFX9もセンサーがフルサイズ化され、 Veniceのカラーサイエンスを採用、など

結構頑張ったな、という印象は持ったものの、 6Kオーバーサンプリングだけど結果4K収録や

あまりかわらない HS性能、XQD収録など

正直もの足りない要素も多く、

これで価格帯が120万超えだと

プロダクションでのニーズは高そうですが

個人ユースで所持した時には微妙かな、という

判断となりました。

αほどではないですがAFの強みもあるので

正直勿体無いのですが、結果

シネマ軸へ向かうとMFメインになるので

致し方ないかと。

良いカメラだと思いますけどね。


さて、ここが重要な話


2019年「動画」と「映像」が分岐した

ずっと言っています。


その証拠にYou Tube始める人が本当に

増えました。


私の周りでもそうですが

30代〜40代はもちろん

50代60代で男女問わずで


トーク

レビュー

レシピ

チュートリアル

など形を変えながら

セルフブロードキャストする方が

ものすごく増えてきました。

(前からでしたが最近はよく目につく)

かくいう私の妻も

「YouTubeはじめる!」と言い出して

健康をテーマにした美味しい料理の動画の

撮影と編集を始めたりしています。

んで、その時に話題になるのが

「α」と「DaVinci Resolve」です。


つまり

撮影するカメラと編集ソフト

なんにする?という話。

編集ソフトとしてDaVinciはオーバースペックという

見方もありますが、

Premiereなどと違い「無料」で使えるという

最大の利点があります。 (Studio版はまぁ、仕事でなければ要らないでしょう)

αに関しては前述の通り

最近のαはめっちゃAFが早く

最新のα6600は「瞳AF」が動画でも効くので

28mm F2とかの単焦点を解放で

被写体が動きながら喋っても

ずーっとカメラが自動で追ってくれます。

とってもビギナー向けですよね。 また俯瞰撮影などもカメラが軽いので α6400など最適です。

なんども言いますが

αは適正露出さえ取ってしばえば

キレイに自動で撮ってくれる訳です。

↑α6600 + 28mm F2とか最高の組み合わせな気がしました


半分嫌々な気分で妻の撮影のセットアップを

手伝っていたのですが、

その中で感じたことがありました。


「動画制作が普遍化」したことによって

「民生に強いソニー」として

ある意味での立ち位置が定まった


ということです。


元々VLOGなどに対して懐疑的ではあったのですが

VLOGが近年の「おしゃれ風ホームビデオ」

YouTubeが「誰でもできる放送局」であれば


「ホームビデオのソニー」として

数多くの新規動画ユーザーにこそ

αは訴求すべきかも

という気がしてきてしまったのです。


奇しくも「VLOG撮るならソニー」とか

打ち出しているのも頷けるわけです。

(それはあまり興味ないのですが)


ともあれ


2014年から2015年にかけての

4kスタンダード転換期、

映像クリエイターの増加に貢献し、

暗所での撮影を強いられる

ウェディング業界の救世主となったα7SⅡ。


その認知をきっかけに

圧倒的なAF性能で

スチル業界にも人気が集まり

他のメーカーからベンチマークされる

対象となったソニー。

スチル業界での普及率を考えると

打倒キヤノン、ニコンの目的を果たした、

といってもおかしく無いと思いますし

これから広がり続ける

「動画マーケット」に対しての

スタンダードがαであるのも良いと思いますが

ただ、あの頃α7SⅡを手にして

夢を持った映像クリエイター達の希望にも

きちんと応えてあげて欲しい。

(fs7やfs5のユーザーに対しても色々と遅い)

私もただ人より早くαを使っていたことが

きっかけで様々なメディアに露出させて

頂いたわけですがから、もっともっと

まだまだαを好きでいたいのです。(本音)

プロとアマの境目が無くなった今、

αは民生向け

fs系はプロダクション向け

という括りを取っ払わなければいけないのに

未だその線引きを感じるのが残念です。


そこを前向きに捉えるために

前述のように私は

カメラを使い分ける事にしました。

2019年 気づけば記録案件ばかりにαを使っていた気がします。

↑もはやαである意味すら考えてしまう記録案件セットアップ(爆)

↑ただ高速AFは「記録」「取材」に最適なのは本当

↑ものすごい暗所でも綺麗に撮れるα7SⅡのニーズは高い

1インチセンサー程度のビデオカメラでは太刀打ちできないのだ。

軽量、小型、高性能、高感度、

これならもっとクリエイティブになれる。と 夢を見せてくれたEマウントの輝きが

だんだん霞んでいくのが少し寂しいなぁ、と感じます

(だいたいレンズが大型化してきて結果小型にならない)


さて、動きのなかったαはさておき 業界ではBMPCCや SIGMA fpやPanasonic S1Hの登場で ローコストでRAW動画や10bit 4:2:2のフッテージが手に入るようになり、

2019年は「スモールシネマカメラ元年」となりました。

最近は「動画を作りたい!」という方が増えてきて

どんなカメラを選べばいいですか?と聞かれますが、


それは「キレイ動画」を作りたいのか?

それとも「美しい映像」を作りたいのか? それによって選ぶべきカメラが変わっていきます。

今はこんな構図になっていて

クリエイティブさを求める方にαをオススメ出来る状態では

なくなってしまっています。 私をきっかけにαを選んでくれた人も少なからず多いので 自分も含め、本当にこの現状が残念です。

急ぎすぎなければ αに絶望なんてしない。

のだろうけど、急いでくれ。本当。

往年のCanon 5D Ⅳみたいになっちゃうよ。

(既になってるのかも)

2020年は本当に

ジャッジメント・イヤーです。

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